看多機(看護小規模多機能型居宅介護)とは

看多機(かんたき)とは、看護小規模多機能型居宅介護の略称で、介護と医療が組み合わさった介護保険サービスのことです。

医療ニーズの高い高齢者であっても、慣れ親しんだ地域と家で身近な人に囲まれて療養することを支えるためのものです。
「通い」「泊まり」「訪問介護」「訪問看護」の4つのサービスを一体化して、個々の利用者の状況に合わせて臨機応変に組み合わせて提供します。
利用者や家族の状況が変わっても柔軟に対応でき、急な泊まりや、夜間の訪問看護、訪問介護も利用できるため、利用者や家族にとって安心です。

看多機は、退院後の在宅療養への移行支援などに利用されます。
例えば、胃ろうによる栄養管理や人工肛門の管理、たんの吸引などの医療ケアを行ったり、家族に家庭でのケア方法を指導したりします。
また、徘徊や妄想など行動・心理症状の目立つ認知症患者や、末期がんで緩和ケア病棟に移るまでに痛みのケアが必要な患者などに対しても、看多機の複合的なサービスが力を発揮します。

看多機は、介護と医療をワンストップで受けられる優れたサービスですが、利用者にその便利さが十分に理解されていないこともあって、提供できる事業所も少なく、認知度が低いために看護職員も十分に集まらないという現状があります。
地域包括ケアシステムが広がり在宅療養する高齢者が増えていく中で、今後看多機のサービスを必要とする人は増えていくでしょう。
看多機のサービスについての理解を広げ、提供できる事業所をいっそう拡充していくことが望まれます。